【書評】先入観はウソをつく 武田邦彦 感想・レビュー

書評

図書館で気になって偶然手に取った本は、テレビ番組「ホンマでっか!?TV」でお馴染みの武田先生が書いた本だった。

ちなみにアホな私は途中まで読み進んで、途中でその事実に気付きました笑

知らない方のために軽く紹介しておくと、武田先生は工学博士で、もう70歳を超え、テレビでも大人気の大大大先生なのです!(てきとー・・・)

番組の中でも、石油の話になると、
「石油なんてなくならないんだからどんどん使っちゃえばいい」とか
「男は生物学的に生きてても意味ないんだから死んでも構わない」とか

いわゆる空気読めない発言をバンバンする博識高い先生なのです。

というのも全部に裏付けがあり、何の根拠もなく言っているわけではないのです。

そんな先生が書いた本を読んだので感じたことを書きます!

先入観に騙される現代人

これは本の最初に書かれたプロローグのタイトルです。

強烈なタイトルですが、我々は何に騙されているのでしょうか?

パッと思い浮かぶのはマスコミやテレビ、政府です。

それではどうして我々は事実を信じず騙されてしまうのでしょうか?

本の中では「”大丈夫と思いたい”心理がもたらす先入観」と説明されています。

この人はいい人そうで安心できるから、お金を預けても大丈夫だろう

とか、裏付けを何もとらずに自身の願望を入れてしまいます。

その結果騙されたり損をしてしまうことがあります。

それではどのように対処すればいいのでしょうか?

武田先生はこの方法も教えてくれています。

「受け入れ箱」と「比較箱」を作る

大脳の中にある「今まで教えられた知識」、あるいは「過去に経験した知識」を100%だとしたら、それを80%くらいにとどめて、残り20%の空いた場所ができるようにします。そして20%のうちの10%分を「受け入れ箱」、残り10%を「比較箱」として脳内に新たに作ります。

引用:先入観はウソをつく

自分と違う意見に出会った時、例えば、

サラリーマンは拘束されていてまるで奴隷だ、人間はもっと自由に生きた方が人生が豊かになるからサラリーマンになるべきではない

という発言を聞いた時、特にサラリーマンの方だと反論したくなるのではないでしょうか?

まずは金銭面の話を出し、安定性、人生設計が出来たり社会的な信頼を得られること、などいかにサラリーマンが優れているかを言いたくなりますよね。

ただ、それだとせっかく自分と違う意見に出会ったのに、自分は一つも生まれ変わらず、これまで通りの日々が続いていきます。

武田先生の教えでは、自身の意見と違った意見に出会った時には、まずその意見を「受け入れ箱」に入れます。

その後時間を置いてからでも、受け入れ箱から自身と違う意見を出し、「過去に経験した知識」からこれまでの自身の意見を出します。この二つを「比較箱」に入れて、新しい意見が正しいのかどうかを検討します。

わからないことは調べたりまた聞いたりすることもあるでしょう。

こうすることで多様な意見を受け入れる柔軟性がつき、さらに新しい意見を一つ一つ精査することから間違った意見に惑わされなくなります。

他の人の意見を頑なに否定したりした経験はありませんか?

違った意見というのは自身が成長し新しい世界を見れるチャンスでもあるので、素通りしてしまったり、相手を攻撃してしまうのはとても勿体ないです。

今まで築き上げてきた先入観は生活をするために必要不可欠な味方であると同時に、成長や真実を見る目を妨げてしまう敵でもあるのです。

科学の間違った先入観

本に詳しく書いてあるので詳細は書きませんが、

・「太陽の色は赤」と言っているのは日本人だけ
・「森林が二酸化炭素を吸収する」という先入観
・森林保護がかえって花粉症患者を増加させた

などなど、興味をひく面白い先入観の話が多く書かれています。

私自身、知らないことが多かったので、

世の中のことを科学的にバッサリ答えて欲しい、と思っている方にはとても面白く読み進められると思います。

どうして多くの人が科学的にバッサリ言わないのかと言うと、

そこに自身の損得が絡んでしまうからです。

悲しいかな神様のような善良な市民というのはなかなかいないものなんですね。

すごい肩書の人も権威ある人もみんな一人の人間です。

損するより得を取りたいという、いわば人間のピュアな感情によって色んなものが捻じ曲がってしまってます。

真実に興味があり間違った意見はもうウンザリ!という方はぜひ手にとってみてください。

最近注目している花粉症のくだりなんかは前のめりで読んでしまいました。

追記

本の中で生き方についてこんなこともおっしゃっていました。
長寿を望むならこれを実践するのも手ですね。